こんにちは、善匠です!
皆さんは「スキップフロア」というものをご存じでしょうか?
「限られた空間を使ってどうにかスペースを捻出したい…」
「空間に繋がりを持たせつつもメリハリをつけたい…」
そんな要望におすすめなのが「スキップフロア」です!
今回も事例を合わせてご紹介させていただきます!
スキップフロアとは、階と階の間に中間のフロアを設け、床の高さが部分的に異なる構造を持つ建築デザインです。
一般的な建物のように1階、2階といった明確な区分がなく、数段階段を昇り降りすることで次のスペースに移動できる構造が特徴です。
視覚的な広がりを持たせるとともに、床の高さで空間を仕切ることができます。また、住宅だけでなく、オフィスや商業施設にも取り入れられており、デザイン性と機能性のバランスが求められる場面で多く利用されています。
スキップフロアは、廊下や壁を減らすことで、デッドスペースになりにくい空間を生み出すことが可能です。
また、天井や床の高さに変化をつけることで、限られた空間を広く感じさせる効果があります。
狭小地や都市部の限られた土地でも、空間を最大限に活かすことができます。
スキップフロアは、壁やドアを設けずに床の高さの変化で空間を区切るため、視線が抜けて開放感があります。
さらに、隣接するリビングや廊下や階段に窓を設ければ、その窓から光が差し込み、明るい空間を作り出すことができます。
スキップフロアの段差部分を利用し収納スペースを設けることで、無駄なく空間を活用できます。特に天井の高さが1.4m以下の部屋は床面積に算入されないため、固定資産税の節約にもつながります。
スキップフロアは、視線が通るため、家族がゆるやかにつながりやすい設計です。
半階分の高低差を利用して、リビング、キッチン、ワークスペースなどの用途ごとにエリアを分けつつも、つながりを保つことができます。これにより、それぞれのプライベート空間を保ちながらも、コミュニケーションがとりやすくなります。
スキップフロアは通常の間取りに比べて、材料や手間がかかるため、建築コストが高くなる傾向があります。
また、設計・施工においても高い技術が求められます。
スキップフロアを採用することで、構造や建材に工夫が必要となり、一般的な住宅よりも建設コストが高くなるケースがあります。
スキップフロアはフロア内に段差を増やすことになるため、高齢者や小さな子供がいる家庭ではバリアフリーの観点から注意が必要です。
バリアフリー住宅をお考えの場合、スキップフロアの導入には慎重な検討が必要です。
スキップフロアのある空間は段差で区切られているため、大きな家具や家電を移動する際に不便さを感じてしまうことも。
また、段差による動線の複雑さから、部屋の使い勝手に影響を与えることもあります。
スキップフロアは空間が連なっているため、冷暖房効率が低下する可能性があります。適切な空調計画を立て、各フロアに均等に空調が行き渡るようにしておくことが必要です。特に、エアコンの配置や通気口の設置に注意を払うことが求められます。
空調対策でも説明した通り、冷暖房効率が下がると夏は暑く、冬は寒い空間となってしまいます。
窓の配置や天井の高さを工夫して、自然光を効率的に取り入れることが大切です。
併せて、風通しの良い設計にすることで夏や冬も快適な居住環境を実現できます。
段差が多くなるため、転落防止策が必要です。
手すりの設置や滑り止めなどを使用し、安全性を確保します。
特に小さな子供や高齢者がいる家庭では、バリアフリーの観点からも注意が必要です。
スキップフロアは、建築基準法に基づいた設計が必要です。
例えば、スキップフロア下の空間に天井高1.4m以上のスペースを作った場合、スキップフロアは「階」としてカウントされてしまうので、2階建てでも3階建てとして申請しなければならなくなります。
そうなると構造規定がより厳しくなり、申請に時間がかかってしまったり、建築コストが増えてしまう要因になったりします。
アンティークなトタン屋根が可愛い、対面キッチンのあるLDK。
LDK横の階段からスキップフロアへとつながっています。
スキップフロアにはカウンターと小さな収納を設けた作業用スペース。
持ち帰った仕事の作業時にピッタリです!
LDKの家族の声が行き届くのでコミュニーケーションも弾みます♪
背面の壁側には、2Fフロアと同じぐらいの高さ広がる本棚を設置。
手作りのハシゴを使い、小道具を出し入れする姿はファンタジックな映像のワンシーンのようですね!
段差部分にはお子さんの遊びスペースを設けました。
床を一段下げているので、お子さんが遊ぶのにも丁度良い高さに調整されています。
お子さんが大きくなったら収納スペースとしても使えそうですね。
階段を上っていく途中の中2階に秘密のDIYスペースが広がります。
アーチ状の出入口や漆喰の壁、塗装を施した木の天井が相まって温かみのある空間となっています。
階段や1階ホール側からも見える木格子の窓も可愛いです。
壁で囲まれているので静かに作業に集中が出来そうな点が魅力的です!
アーチ状の出入り口の上部には固定棚を設置。
小道具を収納したり、飾っておくのにピッタリで空間を有効活用しています。
階段側から収納したモノが丸見えにならないところもポイントですね!
ブルーをテーマにしたキッチンが映えるLDK。
LDKと階段が隣接していますが、吹き抜け+スキップフロアにすることで、圧迫感をまるで感じさせません。
スキップフロアにはミニテーブルを設置して、お子さんのスタディスペースなどにも使えそうです。
アイアン手摺で上下階とのつながりも感じやすく、ご家族とのコミュニケーションも取りやすいですね。
スキップフロア段差部分は、小さめの開口を設けた隠れ家チックなキッズスペースとなっています。
リビング側・ダイニング側の2つの入り口があるので、ぐるぐると回遊しながらお子さんに楽しんでいただけます。
スキップフロアやキャットウォークなど、高低差を使った遊び心のあるLDK空間。
スキップフロア下の壁は一部くぼませて、TVボードが収まる設計になっています。
スキップフロアにはピアノを配置し演奏できるスペースに。
梁を設えたオシャレな吹き抜けとなっているので開放感も格別です!
LDKからも眺めることが出来る、アイアン手摺に囲われたディスプレイが可愛いく映えます。
小物を撤去したら作業用スペースやお子さんの遊び場としても利用できそうですね。
異素材をセンス良く組み合わせて、上質な空間に仕上がったリビング。
TV横の階段からスキップフロアへとつながります。
スキップフロアは大きな吹き抜けで開放感抜群!
壁はヘイムスペイントのREALIRONという、メタリックな味わいに仕上げる塗料を使用しています。
ヘリンボーンの床もアクセントとなっており特別感のある空間となっています。
階下やFIX窓からはガレージの様子を眺めることができます。
さらに、アイアン手摺を採用しているので、各フロアとのつながりが近く感じられます。
いかがでしたか?
スキップフロアのある家は多くのメリットがありますが、建築コストやバリアフリーの観点など考慮する部分もあります。
設計段階でしっかりと検討し、自分たちのライフスタイルに合った間取りを選ぶことが重要ですね!
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